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[不動産の本棚] ゴルゴ13、浜松にマンションを買う。

テーマ:不動産の本棚

≪ 浜松市・浜名湖の様子 Photo/AC ≫

 先日もこのブログでご紹介したゴルゴ13ですが、なんとゴルゴが浜松でマンションを購入していたという事実が判明する回があります。
 世界各地に隠れ家をもっていて当然の彼ですが、2013年初出の『獣の穴』という回では、ゴルゴにマンションを貸しているスズキ不動産のご主人が、物語を進める上でのバイプレイヤーとして登場します。

【物語前半あらすじ】
 公安警察官の三輪は、プライベートで甥の住む浜松のマンションを訪れる。
 そこで甥から聞かされたのは、年に数回だけ姿を見せるという隣室「301」に住む住人の話。三輪の勘は、「過激派のアジト?それとも…?」と不穏な空気を感じとる。
 堪らず三輪はマンションの大家である「スズキ不動産」を訪ねるが、そこで聞かされたのは、「あのマンションは、途中で一度建築工事が止まったものを、『鈴木』を名乗る新たな施主が引継ぎ、最終的に完成にこぎつけた」というもの。一方、その『鈴木』は、完成したばかりのマンションをこのスズキ不動産に売却し、いまはそのマンションに301号室を借りて住んでいるのだという。


 さすがゴルゴ13、
マンションを1棟買いです。

 施主・建築業者を含めた工事関係者が、何らかの事情から工事をストップさせてしまうことはあり得る話で、有名なところでは琵琶湖岸で20年超の長きに亘って「幽霊ビル」として知られた廃墟・木の岡レイクサイドビル(※)などもその類です。
 解決不能な問題が残った工事現場ですと、琵琶湖畔に長らくあった幽霊ビルのようにそのまま雨ざらしになってしまいますが、権利関係等がシンプルで、残り工事を完成させるのに必要な資金と完成後の売却益が釣り合うようであれば、工事が仕掛り中の現場でも買い手が付かないではありません。

 ゴルゴのことですから、すっかり身分を偽って鈴木某という人間になりすましていたのでしょうが、実際に所有者になってしまうと登記の問題に当りますので、恐らく資金繰りに行き詰った施主に融資する形で、実質的な所有権を得たのではないでしょうか。
 このマンションもゴルゴが関わった以上、ある秘密を抱えた物件に仕上がっているのですが、不動産屋の視点で見ると、ゴルゴからマンションの買取り提案を受けたスズキ不動産の先代社長もゴルゴの協力者として裏方で差配していたように思えてなりません。(完成後の建築確認検査はどうやって通したのでしょう…。)

 物語の後半、マンションに隠されたある秘密に気付いたスズキ不動産の現社長が、マンション入口で見上げた天井の違和感に気付き、思わず「いやに懐が深い」という言葉を発します。

 鈴木「あれ?」
 三輪「どうかしましたか?」
 鈴木「いえね…いやに"懐"が深いと思ってねぇ気のせいかな…
 三輪「どういう意味ですか 懐、とは?」


 この「懐」という表現については、劇中で業界用語だとして説明がされていますが、正確に言うとこれは建築用語に分類されます。一般的には、「天井懐(てんじょうふところ)」または「床下懐(ゆかしたふところ)」と呼ばれる部分で、多層階建築物において遮音や電気配線・水道配管を目的に設けられる、上階と下階との間のスペースのことを指します。

≪この床下配管(場合によっては天井裏)のスペースを「懐」と呼ぶ。 Photo/AC≫

 ゴルゴが誰も殺さず、また何を目的にこの浜松のマンションを使っていたかも明らかにされないまま終わる、異色の本作。
 私たち読者はまだ、鈴木某ことゴルゴの描いた大きな絵に騙されているのかもしれません。


※(参考)大津商工会議所 大津e湖都市場『大津豆知識・日本で初めて爆破解体された"幽霊ビル" 』


取材・文/TN(HN)
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